認知症ケアには様々な職種が関わることになるが、これからの介護職に期待されるキャリア形成の目標の中には、認知症の基礎的知識や認知症ケアの方法、専門職としての倫理観の習得は欠かせなくなるだろう。
また、施設と地域の連携も重視されるようになるため、認知症ケアへの理解を目指した啓発活動も必要になるかもしれない。

認知症の人は自らの意志を相手にきちんと伝えられず、誤解を招いたりしやすい。
また、脳の萎縮により、日常生活に様々な支障が生じたり、問題行動を起こしやすくなるため、認知症ケアでは専門知識とスキルの他に、認知症患者の人格を尊重し、慮る倫理観を基本に身につけていくことが大事になる。
そのため、認知症の基礎的知識や認知症のケアの方法は、高齢化が進む日本においてはとても重要になってくるのだ。

さらに、認知症ケアでは、患者を取り巻く生活環境も大切であり、家族や自治体などを取り込んだ包括的なケアと支援もポイントになる。
そのため、介護士や看護師が認知症ケアについて学ぶときには、自身のスキルアップと共に、周囲への連携についても視野に入れておくべきだろう。

今後高齢化が進む日本では、認知症患者の数も膨れ上がる。
そのため、今まで以上に認知症ケアについての知識や向き合い方については関心が高まるはずだし、需要も増すだろう。
介護士や看護師は、そんな状況の中でスペシャリストとしての役割を担うことになるので、正しい知識やケア方法を早い段階で学ぶべきだと私は思う。